一生に二度の初恋を『あなたへ』

・キラキラ転校生くんの笑顔



「このクラスの担任、潮波 悠真(シオナミ ユウマ)数学担当だ。名前は今日中に覚えてくれよー」


ある春の晴れた日。


顔は熱血っぽいけど口調は優しい若い先生が、黒板の前に立って自己紹介をしていた。



『潮波 悠真』



コツコツとチョークの音を鳴らしながら、少しずつ名前が書かれていく。


黒板の字、綺麗でよかった。


去年の担任は字が汚くて授業もノートとるの大変だったからなぁと、違う学校に行った白髪のおじいちゃん先生を思い出した。



今日は始業式で、高校二年生初日。


一応進学校のこの学校は二年生から文系と理系に分かれてそれぞれのカリキュラムで授業をする。


ちなみにわたしは理系。


理系って言ったら男子ばかりのイメージだけど、この高校の元々の人数は女の子の方が多いからそこまででもない。


けど――……。


わたしはさっきから何回も見渡した教室を、もう一度クラスメイトを一人ずつ確認しながらぐるりと見渡した。


やっぱり周りは知らない子しかいないよ……。

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