一生に二度の初恋を『あなたへ』
はぁ……。
自分で言っておいて寂しくなるぐらいなら言わなきゃいいのに、癖って厄介。
でも今日は少しほっとした。
お母さんいないよね……会ったらまた固く口を閉ざすお母さんに問い詰めてしまうと思う。
春の母親と呼ばれた、訳を。
真実は怖い。
お父さんが変わってしまった理由もお母さんのことと関係があるのかもしれない。
でも、だからと言ってわたしは真実を知らないままでなんていたくない。
だから……。
お父さんに逢いにいく。
また罵倒されるかもしれない。酷い頭痛に襲われるかもしれない。
それでも前に踏み出す。
わたしはもう十分勇気は貰ったのだから。