一生に二度の初恋を『あなたへ』
クラスメイトの言葉、中曽根くんの言葉、瞬くんの言葉。
結愛ちゃんからのLINEには『今度は四人でどこかへ行こう』そんな言葉があって、また前みたいに戻れるのが嬉しかった。
斎藤くんは……いないけれどいつか五人でまた会える日が来る、何となくそんな気がする。
「お母さん、寄りたいところがあるんだけど……行っていい?先に帰ってていいから」
「いってらっしゃい」
お母さんは優しく包み込むようにふわりとわたしを抱き締めた。
お母さんに抱き締められたのはいつぶりだろう。
小学生?中学生……ではないと思う。
「ありがとう……優」
「え?わたし何もお母さんに感謝されるようなことしてないよ」
わたしは昔とは違う低くなった肩を胸に感じながら答えた。
「優がいてくれるだけで嬉しくて、優の存在自体がお母さんの幸せなの。
春と同じくらい、お母さんは優のことが大切で、大好きだから」