一生に二度の初恋を『あなたへ』
斎藤くんのおかげ……なのかな?
「昔から優はカレー、好きだったわよね……」
お母さんの顔を見ると、涙がゆっくりと頬を伝っていた。
「えっ?どうしたの?ごっごめんなさい……?」
「驚いてごめんね優。お母さんが悪いの……ごめんね……」
喜んでくれたの?嬉し泣き?
不思議に感じながらも普段から思ってることも言わないと伝わらない……ってこと、わたしは実感した。
カレーを味わいながらも米の粒を一つ残さず食べ終えると、わたしは今日廊下で拾った桜の花びらを入れようと、自分の部屋に行き机の引き出しを開けた。
わたしの中の机は整理はしてあるものの物で溢れかえっていて懐かしい写真なんかも出てくる。
ん……?何だろうこれ?
机の引き出しの奥に何枚か、桜色をした封筒が見えた。こんな封筒あった?
笑ちゃんから貰った手紙は別のところに入れてるし……。
裏を見ると名前が書かれていた。
『佐藤 春様』。と。
これ……。
思い出した。