一生に二度の初恋を『あなたへ』
たまに不安になるけど、本当にこれ以上
心配はかけたくない。
これからもずっと隠し続けるつもり。
そしてこの話には不幸なことに続きがある。
それが、わたしのトラウマになっている、一番大きな出来事。
事故後、長い眠りから覚めたように意識を取り戻すと、そこにはお母さんとお父さんと笑ちゃんがいた。
わたしは目が覚めてから数日間はボーっと寝ぼけ半分で。記憶のテストみたいなものをされた気がする。
これも確かな記憶はないんだけど。
病院では不自由のない生活だった。
ご飯は美味しいとは言えないけど不味くはないし。お母さんはわたしが暇しないようにと色々なものを買ってきてくれた。
でもひとつお父さんの様子がおかしかった。
そんなお父さんにまた徐々に変化が起こり始める。
わたしが目を覚ましてから数日、来る度にお父さんの笑顔は次第に無くなっていった。
無愛想になった。
また数日すると、わたしとは一言も喋ってくれなくなった。
そして数日、数日と重なっていき、態度が大きく変わってしまったときには、お父さんはもう病院にも来なくなった。