一生に二度の初恋を『あなたへ』
お父さんに何があったか知ってたから、責められなかった。
そうじゃないかって、今冷静にそう考える自分がいる。
でもそのときはそんなことを思う余裕さえも無かった。
家にいたくないけれど、外にも出たくなくて、学校を休んで毎日自分の部屋に閉じ籠った。
助けも求められなかった。
家族のことを友達に知られたくなかった。自分が可哀想だと思われたくなかった。
でも一番は、お父さんに暗示をかけられたように自分が生きているといけないような気がして、わたしが生きていることを知られるのが、怖くて、怖くて。
それからすぐに引っ越したわたしは。
お父さんと離れたことで呪縛が解けたように、普通の生活が送れた。
たまに起こる頭痛を除けば。
でも、多分あのままの環境が続いていたらわたしは自殺も考えたと思う。