一生に二度の初恋を『あなたへ』
――バタン
そう思った瞬間に意識が遠くなって、目の前が真っ暗になった。
「高梨!!」
え、何でこんなときに斎藤くんの声が聞こえるの……男子はネットの向こう側でバスケだって言うのに。
おかしいな――…。あ、わたしの妄想か。こんなときに助けてくれたら嬉しいなって。
でも何故かその声ははっきりと耳の奥に残った。
「ん……」
目を覚ますと、少しシミで汚れた白い天井があった。
あぁ……保健室のベッドね。頭が痛くて堪えられなくなったときとか、何回かお世話になったことがあるから、すぐに分かった。
「あ、起きた!!
優、ごめんね――わたしが付き合わせちゃったせいで……。
今日保健室の先生、出張だし……」
結愛ちゃんが心配そうに眉を下げてわたしの顔をのぞきこむ。