Short Funny
私達の肩に懸かっているとだけあって、社内でも私達のチームは注目された。


私達もそれに応えるべく、寝る間も惜しんで計画書の作成に没頭した。


吟味を重ねて、練りに練ったのさ。


その甲斐あって、私達の立案は難なく役員会を通過し、後は社長の判を貰うだけというとこまでこじつけたんだ。


ところがだ、


「一班の案だけでは穴の見抜けないケースもある。せめてもう一班作って、良い方を選択してみてはどうかと社長に進言しやがった奴がいた」


そして、社長はそれを承諾したのさ。



「それで、負けたんだ」


少年の可愛くとも鋭利な矢が、私の胸に突き刺さる。



「…そう、負けたんだ」
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