Short Funny
私は結局、公園の前にあった露天商のたこ焼きを買わされた。


少年がベンチでそれを頬張っている。


「いや、驚いたよ。おじさん、監視員じゃなかったんだね」


「監視員って?」



「僕には監視がたまに付いてる。あっ、決して僕は悪者じゃないからね。そして、協会の人間なら僕の好物はみんな知ってる」



「協会って?」



私は半分、自棄気味だ。


「時空調査対策安全協会」


僕はそこに所属するプロのタイムキーパーだよ。



「タイムキーパー?」


「そう、それが僕の仕事」



…少年に仕事?


私は仕事を失いかけているのに?


「この前は大変だったよ。ある国が誤操作で核ミサイルを発射しちゃったんだ。協会は着弾する数センチ手前で時間を止めた」


緊急事態さ。


「そこから、船にミサイルを積んでさ、元の場所に戻してから今度は誤操作を防ぐんだ。何もなかったことにする」


僕らがいなけりゃ、大惨事になってたよ。
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