Short Funny
私はベンチの下に煙草を捨てて、足で火を揉み消した。


その単純な作業でさえ、億劫に感じる。

火を揉み消すことで、私の中の最後の熱みたいなものも消化されたような気がした。


そう、私は情熱を仕事に込めていた。全身全霊を傾けていたんだ。


会社の最大プロジェクトを任されていたんだ。


悔しいよなあ。


よりによって、あんな薄情な男を役員共は信用するかね。


あんな、予算的にも計画性も杜撰な立案に賛同するかね。



私は胸の内ポケットから茶封筒を取り出した。



《辞表》

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