Short Funny
負けちまったら仕方がない。


奴とは、そういう約束をしていたのだから。


落ち込んだ今の私は、塗装の剥がれ落ちたベンチと同化して、人の視界からは消えているんじゃないだろうか。



公園内の視線が気になって辺りを見渡したが、遠くの遊具で戯れる親子が一組と、広場の小さなサッカーゴールでPKを楽しむ男の子が三名、確認出来るだけだった。


子供の頃に戻りたいよなあ。



「幼少期に戻りたいっていう感情は、今の生き方が間違っているということを認めたくない反動から来るらしいですよ」

私の部下の言葉だ。


結局、私に間違った道を歩ませたくせに…。


最後の最後で私を裏切ったくせに…。


私は唇を噛み締める。

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