Short Funny
「僕?」


少年は惚けたように、自分の顔を指差した。


僕に言ってるの?


草むらには私と少年の他には誰もいない。


「君しかいないじゃない」


少年はそれを聞いて驚いた表情になる。


「おじさん、僕のこと見えるの?」



即座にしまったと後悔する。


最近の子供達は、私の幼少期とは違って、かなり複雑化していると聞く。


子供達の間には、初老の私には理解出来ない、タブー的なことがあるのかもしれない。



私はその場を立ち去ろうとした。
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