どきどきツンデレーション

ライバルは自分?!


少女漫画の中のヒロインはいつもキラキラふわふわに輝いていて、気持ちを可愛い笑顔で、“素直”に男の子に伝える。

小学生だった私は、二人の迎えたハッピーエンドを眺めながら、将来恋をしたらこうなるのかな?なんて、大きな大きな夢を抱いていた。




朝。起きるなぜかとベッドが二つになっていた。
よく見ると机も、お気に入りのぬいぐるみも色違いが増えている。誰かが泊まったわけでもないのに

「どういう、こと?」
「絢音!!いつまで寝てるの?!!」

バターン、勢いよく部屋に入ってきたお母さん。手にはお弁当が…2つ?私の使うお気に入りのウサギ柄のピンクと色違いの、黄色?

「なんで二つ?」
「あんた寝ぼけてんの?!!こっちは、歩実の分でしょ。…あの子、珍しく忘れていったのよ」
「あゆ、み?あゆみって、誰…?」
「……朝はあんたの冗談に付き合うほど、暇じゃないわよ」

お母さんは二つのお弁当を置くと、部屋を出ていった。なにがなんだか…
ふと視界に入った時計はすでに八時を回っていて、私はあれこれ考える隙もなく部屋を飛び出した。

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