幼なじみとあたしの関係
「もう!うるっさいよ!」


あまりのしつこさに痺れをきらしたあたしは、網戸を思いっきり開けながら次郎を怒鳴りつける。


「うわ〜ん!アコちゃんが冷たい〜!!」


次郎はそんな最初からわかりきっていることを叫びながら、いっそう激しく泣きだした。


その声は、家が何軒か立ち並んでいるこのちょっとした住宅街中に響いた。

絶対響いてた。


ごぼうがはみ出したエコバッグを自転車のかごに入れたおばさんが、怪訝な顔であたしたちを交互に見ながら、次郎の後ろを通り過ぎていった。


ちょっとやめてよ。


あたしが泣かしたみたいになってんじゃん。


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