幼なじみとあたしの関係
なんかこの状況、無性に居心地が悪い。


ママがドラマの合間に微笑ましそうにこっちを見るもんだから、余計にそう思う。


「次郎。とりあえず、部屋行こ」


「…うん」


とは言ったものの、次郎はその場から微動だにしなかった。


それどころか、ますます体重をかけてきやがった。


「や、放してよ。重くて動けないから」


昔から、次郎は何か悲しいことがある度に泣きながら家にやってきては、あたしに抱きついたまま離れなかった。


昔は無理やり引きずってでも動けたけど、今ではもう完全に無理そうだ。


重いし、力も強くて身動きが取れない。

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