陽の当たる場所

穂花だった。


「は…?なんで穂花が…⁉︎」


「俺が呼んだ。呼ぶべきだっただろ」


「雄大…どういうこと…?雄大のことを私は絶対に捨てないよ…?なんでそんなことを思うの…?」


「…っ、驚かずに聞いてほしいんだ…。俺さ、病院行ったんだよ…そしたらさ…ははっ…ガンだってさ」


「ガ…ン…?」


「ああ、だから…穂花には迷惑をかけれねぇ…別れよっか…?」


これが俺の最善の選択。


誰も悲しまずに済む選択。


誰も……?そう…誰もだよ…。


バシッ…


いって…こいつ、俺のこと殴ったの二回目だぞ…


「バッカじゃないの⁉︎ガン⁉︎そんなの私が治してあげる‼︎まだ治せるんでしょ⁉︎なんで結婚式がもうすぐなのに別れようとかいうわけ⁉︎あり得ない…‼︎雄大…言ってくれたじゃない…私のことを泣かせないって…なのに泣かせてるのはどこのどいつよ‼︎バカ‼︎‼︎」


そう言って穂花は出ていってしまった。


「ははっ…俺って本当にバカだな…。春紀と同じようなことを言ってるのにさ…こっちのがキツイや…」


「お前なぁ…」


「俺…決めたよ。また穂花に頼ることになるかもしれない…でもさ、穂花と生きていきたいんだ」


「ああ…そうしろ。早く追っかけねぇとどっか行っちまうぞ?」


「ああ‼︎」


そうだ…、俺はもう穂花を泣かせない。


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