陽の当たる場所


「ほぅ…ガンか…。摘出できるんだろう?」


「はい…」


「いくらでも助けてやろう…ただし、それでも穂花を幸せにしなかった時には覚悟していろよ…クソガキ」


「は…はい…‼︎」


「体調管理はこの純子さんに任せなさい‼︎」


「ありがとう…ございます…」


「もうっ、泣かないの‼︎男でしょ??」


「はい…っ…‼︎」


「ほらね…私達に任せなさい‼︎雄大には幸せにしてもらわないといけないんだからねっ?」


「ああ…」


この家族はなんて良い人達なんだろうか…?


普通はどうなんだろうか?


結婚式一週間前にガンだと気づいた娘の彼氏なんかにこんな優しくしてくれるだろうか…?


普通じゃなくても良い。


こんなに優しくしてくれる人たちがいるんだ…。


穂花…穂花の両親…春紀…。


ああ、なにを思っていたんだろう。


俺には友達が少ない。そう思っていた。


でも、凄く優しい親友や…
凄く優しい彼女。
彼女の両親がいるじゃないか。


俺は…幸せなんだ…。


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