カンナの花
2.青くさい季節
考えてもみなかったよね。
信じられる?
そう言うカンナの声が、わたしの脳裏に反芻される。
そう、信じられないこと、ありえないことに、わたしは加担していたんだ。
どんなに好きでも、想ってはいけなかった。
愛したことが罪ならば、
忘れられないことが罰なんだろうか。
そしてきっとあなたのほうは、あの夏はすっかり過去のことなんでしょうね。
イケナイ話を、しましょうか。
とある真夏の夜の夢。
今より少し幼いわたしが迷い込んでしまった、禁断の園のお話を。