カンナの花
わたしの親友は神奈月純という。
今通っている大学の附属高校で、15歳の時に出会ったわたしたちの付き合いは、今年でかれこれ6年目。
純という名前が好きでない彼女は、人に自分をカンナと呼ばせる。
少しだけぽちゃぽちゃした容姿がなぜかかわいい不思議ちゃん。
流行りにはまったく影響されずに妙に似合うものを着ているあたり、センスがいいんだなと感じさせる。
誰よりも友達思い。
気遣いができて、いつも気づくとそばで支えていてくれる。
沈んでいる時には励ましてくれるしアドバイスもくれる。
…というのがわたし目線から見たカンナだけれど
だいたい一般的には、
時間にルーズで授業もあまり来なくて、自立していないし、
なに考えてるんだかわからないおバカそうな子、と思われている。
どうしてそんなにも印象にギャップがあるのかと言うと、それがどれも事実だからである。
彼女のどこを切り取って見ているかが、人によって違うというだけだ。
責任感はあるんだけれど、潔癖すぎて、それがたまに悪い方に転ぶ。
例えば試験勉強をしていて、その科目で7割8割取れないと気づいた瞬間、試験自体を放棄する。
一生懸命なんだけれど、気を遣いすぎて、それが裏目に出ることがある。
例えばバイトで、人の気持ちの機微や動線まで考えていたら、怠けるな、手際が悪いと言われる。
もとからマイペース過ぎるし譲らないしで、集団行動は苦手。
それにしても、こうも群れでの生活ができないのは、彼女がうつ病だからである。
なおかつパニック障害のおまけ付き。