psi 力ある者 愛の行方
「なぁなぁ。マック行かね?」
「はい?」
何の脈絡もない誘い。
どうして私が泉と二人で、マックへ行かなきゃいけないのか。
一緒に世間話でもしながら、ハンバーガーにかぶりつけとでも?
それとも、ポテトを頬張りながら宿題でも一緒にしろと?
私は、立ち止まり意味がわからない。と言う顔を向ける。
泉は、そんな私を何故だか面白そうに見ている。
お昼のお弁当じゃ足りなかったわけ?
「お腹、空いてるの?」
私の問いかけに、泉がきょとんとした顔を下あとはじけるように笑い出す。
「惣領って、マジおもしれぇ」
素で訊いた私に向かって、泉はゲラゲラと失礼なほどの大きな笑い声を上げいる。
なんなのよ、まったく。
思わず不機嫌さが顔に出てしまう。
「惣領って、本当。不思議ちゃんだよなぁ。益々、興味わいてきた」
泉は、瞳をクリクリさせて私をのぞき見ている。
不思議ちゃんて……何よ……。
私、天然キャラなわけ?
いつまでも一人で笑っている泉に若干の怒りを覚え、私は距離を置くようにした。
「こういうの、迷惑なんだけど」
すると、間髪入れずに訊き返す。
「なんで?」
泉は、さっきまでヘラヘラしていた笑い顔を引っ込める。
泉の方がどっちかっていうと不思議ちゃんじゃないの?
そんな風に思わせるきょとんとした表情だ。