psi 力ある者 愛の行方
恒例行事と嫉妬
―――― 恒例行事と嫉妬 ――――
高校二年 春。
私は、もう随分と普通の暮らしを続けていた。
平日は、毎朝同じ時刻に起きて学校へと通い。
勉強も人一倍頑張り、家の事もやっていた。
どこからどう見ても、ごく普通の女子高生だ。
なんなら、家のことまでよくやる、よくできた高校生と言ってもいい。
制服に着替え腕時計をし、少し冷たい感じにも見せるメガネをかける。
朝の静かな食卓で朝食を摂り、たった一人の身内と他愛のない会話をする。
「じゃあ、行ってくるね。お父さん」
鞄を手に取り、食卓の椅子から立ち上がると、いつものように父が声をかけてくる。
「お祖母ちゃんに挨拶して行きなさい」
「うん」
朝御飯の食器を片付けながら、父へと返事をした。
畳の間にある仏壇の前へ行き、しっかりと正座をして手を合わせる。
「お祖母ちゃん。行って来ます」
飾られている写真の祖母は、少しすまし顔だ。
その顔に笑顔を向けて立ち上がる。
祖母に挨拶を済ませて玄関へ行きローファーを履いていると、父が珍しく玄関先まで見送りに来た。