psi 力ある者 愛の行方
午後の授業中。
窓から校庭を見渡せば、グラウンドを走り回る泉の姿が見えた。
どうやら体育の授業は、サッカーらしい。
なかなかの運動神経を持つ泉は、右に左に駆け回り。
楽しそうにボールを追いかけ蹴っている。
さわやか。
まさに、その言葉は彼の為に存在するかのよう。
こんな姿に、女の子は心をときめかせるんだろうな。
他人事のようにそう思ってみる。
そんなさわやか泉は、受け取ったボールをドリブルし、振り返りざまに蹴ったそれがキーパーの横をすり抜けゴールへと突き刺さった。
やったー。と言うように右の拳を突き上げ喜ぶ姿を見てから、私は授業に頭を切り替えた。