psi 力ある者 愛の行方
食べた食器を洗っていると、玄関でインターホンが鳴った。
「おっ。来たか」
父は、子供のようにはしゃぎ、出迎えに向かった。
詩織さんと夫婦になることや家族が増える事が、嬉しいんだというように向かう足取りが軽い。
そうだよね。
お祖母ちゃんが居たとはいえ、お父さんだってずっと男手ひとつで私を見てきたんだもんね。
寂しかったよね。
ごめんね、気づいてあげられなくて。
嬉しそうに玄関へ向かう父の背に、柔らかな眼差しを向けた。
急いで洗い物を済ませて直ぐ、私も玄関先へといく。
そこには、細身のジーンズとTシャツにスニーカーといったラフなスタイルの詩織さんが立っていた。
「おはよう。未知ちゃん」
「おはようこざいます」
笑顔の挨拶に同じように笑顔を返す。
その後ろには、陸君が同じようにラフなスタイルで立ち、父へ向かって軽く頭を下げていた。