psi 力ある者 愛の行方
二人で登校
―――― 二人で登校 ――――
玄関先まで見送る詩織さんへ、二人で挨拶をして家を出た。
「いってきます」
「いってきまーす」
何もかもが新鮮な今日。
空は、相変わらずの快晴。
隣を歩く陸は、まだ眠そうに欠伸を噛み殺している。
初対面の時は、なんて無愛想で無口なんだろうって戸惑ったけど。
昨日、荷物を片付けた時の会話や。
朝の寝ぼけた姿を見たら、最初の印象がどんどん崩れていった。
見られたパンツに恥ずかしそうにしていたのを思い出し、クスリと笑いが零れる。
「何?」
私の零れた笑いに、陸が訝しげな表情を向けてくる。
「ううん。なんでもない」
正直に話したら、さすがに怒られそうでやめておいた。
私が笑いを引っ込めると、マジマジと顔を見ながら訊いてくる。
「つか、何その眼鏡。キツそうなのかけちゃって。昨日みたいにコンタクトでいいじゃん。俺あっちの方が好きだよ」
好きっていわれてもね、色々事情があるんです、弟よ。