完全無欠⁈ お嬢様の執事

「き…」

彩の目が完全に覚めて、寝ぼけ眼もなんのその、がばっと身体を起こし、壁のぎりぎりまで身を引く。

目にも止まらぬ速さだった…。


そして、

「いゃぁぁーーーーーーーーーー‼︎」

と思いっきり叫び声をあげた。


「誰よ⁈
なんで人の部屋に、いっ、いるの⁈
へっ、変態ーーー!」


彩はパニックになって、布団をがっちり身体に寄せて隠し、「お嬢様」なんて変な事を言う男から、なるべく距離をとる。


「お嬢様。
落ち着いて下さい」

男は、そんな彩をよそに、笑顔のまま落ち着き払った声で言い、彩との距離を詰めてくる。


「おっ、落ち着けるわけないでしょ⁉︎
いきなり自分の部屋に知らない人がいたら‼︎
っていうか、近づいて来ないで!」

「お嬢様…」

言いながら、すっと男が彩に手を伸ばしてくる。


「やっ…
おとうさーーーーん‼︎
おかあさーーーーん‼︎」


身の危険を感じた彩は、思いっきり両親を呼んだ。

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