幸せいっぱい
曇りのち晴れ
次の日から私は今まで家族だと思っていた日向を恥ずかしくてなるべく避けるようになった。
「望夢、おはよう。今日いつもより早起きじゃない?」
顔を見るとどうしてもあの日の夜の出来事を思い出す。
「……そっ、そんなこと…なっぃしっ!おはよう…っ!」
私はなるべく日向の顔を見ないようにする。
「…ん?なに?体調悪いの?」
日向は私の頬に触れ顔を覗き込んできた。
「…⁉やっ⁉なに⁉」
日向はびっくりした顔をする。
「熱あるんじゃない?顔真っ赤…」
見られたぁぁぁぁ⁉平常心…平常心だ…冷静に…冷静に…
「ほら。やっぱり熱あるよ。おでことか首とか…ほら。熱いし。」
…⁉首とか触られたら…くすぐったい…!しかも恥ずかしいっ!うぅぅぅぅぅぅぅぅ…でも日向の手…冷たくて気持ちいい…。
「薬飲んで今日は学校休んだら?」
「…いや、大丈夫。今日は未羽ちゃんと放課後デートだし…。」
「…倒れても知らないからな。」
日向は呆れたような顔をして私の頭をぐしゃぐしゃと撫でた。
……こんなのいつものことなのに…!ダメだ。ドキドキしすぎてどうにかなりそう…。
「日向、やめて。私もう学校行くから。」
日向から逃げるように鞄を持ってローファーを履き家をでた。
「…学校ってあいつ…朝飯食べてないし……」
「あら、望夢ちゃんはもう学校行っちゃったの?」
お母さんが俺に話しかけてくる。
「朝ごはん食べて行かないなんて…珍しいわね。」
「そーだね。」
お母さんは少しため息をついた。
「せっかく作ったのに…最近ご飯作っても全然美味しそうに食べてくれないし、喋ってても全然目も合わせてくれないし…あの子なに考えてるのかよくわからないのよね。」
…なんだ?なに考えてるのかわからない?お母さんは馬鹿なのか?望夢の顔を見たらすぐになに考えてるのかわかるだろ…。寂しいときも、泣きそうになるときも、嬉しいときも、助けを求めているときも……なのに……。
「あの子お母さんのこと嫌いなのかしら?…こんなこと言っちゃいけないけど、あの子あんまり笑わないし家にいても少し気を使うのよね。あっ!望夢ちゃんには言っちゃダメよ?」
「…誰が言うかよ。ちょっと黙って?」
平気な顔して笑いながら喋るお母さんに苛立った。お母さんはえ?と不思議そうな顔で俺を見ている。
「お母さんは望夢の気持ちがわからないんじゃない。わかろうとしてないんだ。あいつはお母さんやお父さんにずっと気を使って誰にも…俺にも相談せずに1人で抱え込んでたりするんだよ。1人で泣いてるときもあるんだよ。お母さんやお父さんが望夢をそうやって苦しめて…そんなこと言ったら本当にあいつの居場所が無くなっちゃうだろ⁉」
お母さんはびっくりして目を見開いた。
思わずお母さんに怒鳴りつけたことを後悔する。
お母さんはきっとなんの悪気もなく本音を言ったんだろう。
でも…悪気がないのが1番いけないことで1番人が傷つくことなんだ。
「…怒鳴りつけてごめん。俺も朝飯いらない。もう学校行くよ。」
お母さんはなにも言わない。ただ、俺をジッと見ているだけ。
俺は鞄を持ってなにも言わずにそのまま家を出た。
「望夢、おはよう。今日いつもより早起きじゃない?」
顔を見るとどうしてもあの日の夜の出来事を思い出す。
「……そっ、そんなこと…なっぃしっ!おはよう…っ!」
私はなるべく日向の顔を見ないようにする。
「…ん?なに?体調悪いの?」
日向は私の頬に触れ顔を覗き込んできた。
「…⁉やっ⁉なに⁉」
日向はびっくりした顔をする。
「熱あるんじゃない?顔真っ赤…」
見られたぁぁぁぁ⁉平常心…平常心だ…冷静に…冷静に…
「ほら。やっぱり熱あるよ。おでことか首とか…ほら。熱いし。」
…⁉首とか触られたら…くすぐったい…!しかも恥ずかしいっ!うぅぅぅぅぅぅぅぅ…でも日向の手…冷たくて気持ちいい…。
「薬飲んで今日は学校休んだら?」
「…いや、大丈夫。今日は未羽ちゃんと放課後デートだし…。」
「…倒れても知らないからな。」
日向は呆れたような顔をして私の頭をぐしゃぐしゃと撫でた。
……こんなのいつものことなのに…!ダメだ。ドキドキしすぎてどうにかなりそう…。
「日向、やめて。私もう学校行くから。」
日向から逃げるように鞄を持ってローファーを履き家をでた。
「…学校ってあいつ…朝飯食べてないし……」
「あら、望夢ちゃんはもう学校行っちゃったの?」
お母さんが俺に話しかけてくる。
「朝ごはん食べて行かないなんて…珍しいわね。」
「そーだね。」
お母さんは少しため息をついた。
「せっかく作ったのに…最近ご飯作っても全然美味しそうに食べてくれないし、喋ってても全然目も合わせてくれないし…あの子なに考えてるのかよくわからないのよね。」
…なんだ?なに考えてるのかわからない?お母さんは馬鹿なのか?望夢の顔を見たらすぐになに考えてるのかわかるだろ…。寂しいときも、泣きそうになるときも、嬉しいときも、助けを求めているときも……なのに……。
「あの子お母さんのこと嫌いなのかしら?…こんなこと言っちゃいけないけど、あの子あんまり笑わないし家にいても少し気を使うのよね。あっ!望夢ちゃんには言っちゃダメよ?」
「…誰が言うかよ。ちょっと黙って?」
平気な顔して笑いながら喋るお母さんに苛立った。お母さんはえ?と不思議そうな顔で俺を見ている。
「お母さんは望夢の気持ちがわからないんじゃない。わかろうとしてないんだ。あいつはお母さんやお父さんにずっと気を使って誰にも…俺にも相談せずに1人で抱え込んでたりするんだよ。1人で泣いてるときもあるんだよ。お母さんやお父さんが望夢をそうやって苦しめて…そんなこと言ったら本当にあいつの居場所が無くなっちゃうだろ⁉」
お母さんはびっくりして目を見開いた。
思わずお母さんに怒鳴りつけたことを後悔する。
お母さんはきっとなんの悪気もなく本音を言ったんだろう。
でも…悪気がないのが1番いけないことで1番人が傷つくことなんだ。
「…怒鳴りつけてごめん。俺も朝飯いらない。もう学校行くよ。」
お母さんはなにも言わない。ただ、俺をジッと見ているだけ。
俺は鞄を持ってなにも言わずにそのまま家を出た。