チャンスの神はここにいる

亮平君。

いつもの亮平君だった。

平常心で挑むのか

いや
純哉君も亮平君もワクワク喜んでると思う。

頑張れ。
無事終わりますように。

「メグちゃん。サンダル左右逆になってるよ」

しまった
妙に足が痛いと思ったら
亮平君に夢中になって
サンダル逆だった。

笑ってごまかし

「着替えてくるねー」って衣装を持って扉の外へ出る私。

キョロキョロ探すけど
もう
二人は楽屋に入ったね。

スタッフさんが駆け足で走り
あと二時間で始まる本番に備える。

顔を見て
二人に話をしたいけど
止めた方がいいかな。

そんな事を思ってたら

「あ、あのさぁ……メグちゃんだっけ?」

背中に
粘っこい視線を感じ
振り返ると

今日の司会者。
ちゃんごらすのひとり

グラドルの胸をタッチして走った
スキンヘッドの遠藤が
ニヤニヤしながら私の全身を舐めまわすように見ている。

「はいっ」
驚いて一歩退くと
遠藤は負けずに一歩前に出る。

ニタニタ笑いが怖いわ。
売れてる芸人じゃなかったら
ただの変出者って感じ。

いくつぐらいだろ。
35~40歳ってとこか。

ブランド物の黄色いTシャツと黒のハーフパンツの遠藤。

初めてツーショットで会話。

逃げたい。



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