チャンスの神はここにいる

「メグちゃんはー、彼氏いるん?」

いきなり聞かれた。

正直に言った方がいいのかな。

いるって言って
番組で風当りが強くなったり
バラされたら困るな。

「内緒です」
引きつった笑顔を見せると
こちらに近寄り急接近。

誰か助けてー。

廊下の隣を薄毛ディレクターが知らん顔で通り過ぎる。

うおりゃぁ!
助けろ薄毛!

「内緒ってぇ事は……いるんだー」

髪を触られた。
マジ怖いかも。

「そんなんどーでもいいけど……今日終わったら飲みに行かん?」

「今日ですか?」

「そう。俺と仲良くしてくれたら、番組でもっと目立つようにしてやるし」

頬を触られて
ヘビに睨まれたカエル状態。

身動きとれない。

でも
押しのけて恥をかかせたら

これからが怖い。

どうしよう。

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