チャンスの神はここにいる
「うちの若手と比べたら、お前らなんてゴミだろう」
調子にのって遠藤も言い
同じくグーのこぶしで
腕を大きく上げて
亮平君の頭をガツンと殴る。
痛い!
これはかなり痛い。
どうして
そんな事するの?
「塚もっちゃんが呼んどる」
「そか。ほんじゃメグちゃん」
去って行くちゃんごらすに「ありがとうございます」って頭を90度下げながら体育会系の発言をする亮平君。
私はふたりの影が消えるのを確認し
亮平君の腕を取って
近くの小さな給湯室に滑り込む。
「大丈夫?痛かったでしょう」
すごい音がしたもん。
本気で殴ってたもん。
頭を触ろうとしたら
亮平君に強く抱かれた。
「スタジオの様子を見て、楽屋に戻る時に見つけて……黙ってられなくて」
ギュッと抱きしめられると
切なくなってくる。
あぁどうしよう
亮平君の事が好きすぎて
自分が止まらない。
「心配かけてごめんね」
「スゲー心配」
優しい目が私を見る。
亮平君の目は
とっても澄んでいて綺麗。
「メグちゃんの目の前で勝つから」
「うん」
そっとキスをする。
大好きな人の胸に抱かれて
優しいキスをする。
この幸せが
いつまでも続きますように。