チャンスの神はここにいる



そして本番前。

いつもの位置
画面から切れる場所である
正面から向かって上段左端に座ると

「席替えせぇ」
スキンヘッド遠藤が私達の前に来て
私を上段の中央に移動。

周りの目が怖い。

『メグは枕営業したんだー』
無言の攻撃が一斉に私に刺さる。

ちーがーうーー!

寝てないー!
遠藤と寝るなんて
恐ろしい冗談やめてーー!

「ヤルじゃん」
サバサバと下段の中央に座る杏奈ちゃんが、巻き髪を気にしながら私に微笑んだ。

だから違うー!

困りながらも

上段のセンターに座ると

あら
見晴らしいいかも。
ちょっと位置がズレただけで
見晴らしがいい。

これで身体も画面からはみ出さない。
とっても嬉しいけど

後から
遠藤に変な要求されるのが怖い。

逃げるが勝ちだな。
今日はダッシュで帰ろう。

亮平君達もスタジオに入り
立ち位置とかスタッフに教えてもらってた。

客観的に見て
純哉君と亮平君は
背も高いしスタイルも良く
顔もイケメン。

絵になる二人。

そして
アシスタントの咲ちゃんが妙に彼らの間に入って急接近。

なんだあれ?
どうして咲ちゃんが?
てか
亮平君を見る目が熱いよ。

ダメだって。
どうせなら純哉君に惚れてよ。
そっちの方が人気あるんでしょ。

「咲はブルプラの亮平狙いだってー」

「やっぱりぃ?ミエミエだよね。でも似合ってんじゃね?」

横から聞こえる仲間の声。

そうなの?
咲ちゃんそうなの?亮平君狙ってるの?

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