チャンスの神はここにいる
ここで涙目で訴え
可愛くスネるのも手だけれど
『華が無い』
先日言われたセリフが悔しくて
グッと言葉をこらえる。
それに文句を言っても
次に言われる言葉
『辞めてもいいよ。代わりはいるから』だろう。
今も応援してくれている、田舎の友達の顔がユラユラと浮かんでは消えてゆく……。
ごめんよ
また出世コースから外れたようだぜ。
「気楽にいきな」
ここで唯一の友達であるレナに隣で励まされ「ちくしょーあの薄毛」と唇を噛む私。
端っこはカメラから切れるんだよ!
もぉーーっ!
薄毛と杏奈ちゃんの目配せを見ながら、私は無理に笑顔を作り
その日の2本撮りを
なんとか無事終わらせた。