チャンスの神はここにいる


切ない心をごまかし
いつか眠れると信じ

うつらうつらしてると
いつの間にか
現実と夢の狭間を行ったり来たり
やっと眠れるかもと喜んでたら

枕元でスマホが鳴る。

何?どうしたのこんな夜中に。

何かあった?

おばあちゃん死んだ?

壁の時計は午前4時半。

カーテンの外の景色が
夜から朝に変わってゆく時間。

慌てて手にすると
亮平君からの発信。

「亮平君?」
裏返った声を出すと

『メグちゃん。ごめん開けて』

「開けてって?どこを開けるの?」

『玄関のドア』

「へっ?」

奇妙な声を出し
テーブルに小指をぶつけ
片足ジャンプで玄関まで行き、覗き窓を覗くと

亮平君が立っていた。

「あ……」
言葉にならない声を出し
私は扉を開けると

朝の冷たい空気と共に

「おはよ」って

亮平君が私に言う。

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