チャンスの神はここにいる

「次のネタどうする?」

「相手がピン芸人だから、インパクトあるのがいい。モヒガンエイリアンは?」

「まだアフロ出てくるとこまでしか作ってない」

「あのネタ好きだけど」

時間も場所も関係なく
2人は専門的な話などして
私はまた眠くなる。

いや
私はいいんだけど

あなた達
今日は朝から営業では?

バッテリーが切れました
充電してください。

ドサリとそのままベッドに埋まると
疲れていたのか寝不足か
身体が重くて動かない。

「おい寝るな。総選挙はどーすんだ」

純哉君の声に耳がピクピク動く。

グラドル総選挙。

枕を頭の上にのせ
現実逃避をする私。

「メグちゃん」
優しい声と共に枕を飛ばされ、亮平君の顔がアップで迫ってきた。

「対策考えよう。今日来たのはそれが重要事項」
よっこらせっと
亮平君は私を起こして抱きかかえる。

優しい声
広い胸元
このまま甘えて眠りたい。

「アピールタイムがあるからさ。なんか特技とか趣味とか前に出そう」

そう言われても

「番組の視聴者層はスケベな男が多い。スリーサイズ言ってポロっと見せて名前言って終わり……それが完璧。お前はデキるか?」

純哉君に鋭く言われ
黙ってしまう。

そんなデキるか!
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