チャンスの神はここにいる

「咲ちゃんが亮平君にキスしてた」

素直に言葉に出すと
その場面がフラッシュバックして胸が痛くなる。

私って
こんなに弱かったっけ?

亮平君が絡むと心が弱くなる。
乙女だね
笑っちゃう。

泣き笑いになってきた。

「一番先に『おめでとう』って言いたかったのに、咲ちゃんに言われた。咲ちゃんは可愛くて人気あって、亮平君の事が大好きで、きっと私は咲ちゃんに亮平君を盗られちゃう」

そして大泣き。

あぁ
情けないったらありゃしない。

「そうか。ごめん」

心の中の疑問が解決したのか
亮平君は笑って私を抱きしめる。

「ごめんね不安だったんだね。ごめんごめん」

「亮平君も純哉君も嫌い」

泣き声が止まらない。

「俺は関係ないだろ」
怒りの俺様大魔王。
その胸元はとっても優しく温かいのも思い出す。

「メグちゃん」

「うん」

「俺はメグちゃんが大好き。様子が変だとすぐわかる。アンテナ立ってる。だから何かあったら、今日みたいに素直に言ってほしい。溜めこむとダメになるから」

前にもあったのかな
ダメになった事。

「この世界。自分で見て、信じる物だけ信じよう」

澄んだ目が私を見て
形の良い唇がそっと重なる。
柔らかい彼の髪をそっと確認するように撫でると


「行くぞ!」

爆発大魔王。

地球を滅ぼすぞ!的な顔で仁王立ち。

愛は地球を救う。

亮平君を信じて

私も頑張ろう。

< 126 / 301 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop