チャンスの神はここにいる
「咲ちゃんが亮平君にキスしてた」
素直に言葉に出すと
その場面がフラッシュバックして胸が痛くなる。
私って
こんなに弱かったっけ?
亮平君が絡むと心が弱くなる。
乙女だね
笑っちゃう。
泣き笑いになってきた。
「一番先に『おめでとう』って言いたかったのに、咲ちゃんに言われた。咲ちゃんは可愛くて人気あって、亮平君の事が大好きで、きっと私は咲ちゃんに亮平君を盗られちゃう」
そして大泣き。
あぁ
情けないったらありゃしない。
「そうか。ごめん」
心の中の疑問が解決したのか
亮平君は笑って私を抱きしめる。
「ごめんね不安だったんだね。ごめんごめん」
「亮平君も純哉君も嫌い」
泣き声が止まらない。
「俺は関係ないだろ」
怒りの俺様大魔王。
その胸元はとっても優しく温かいのも思い出す。
「メグちゃん」
「うん」
「俺はメグちゃんが大好き。様子が変だとすぐわかる。アンテナ立ってる。だから何かあったら、今日みたいに素直に言ってほしい。溜めこむとダメになるから」
前にもあったのかな
ダメになった事。
「この世界。自分で見て、信じる物だけ信じよう」
澄んだ目が私を見て
形の良い唇がそっと重なる。
柔らかい彼の髪をそっと確認するように撫でると
「行くぞ!」
爆発大魔王。
地球を滅ぼすぞ!的な顔で仁王立ち。
愛は地球を救う。
亮平君を信じて
私も頑張ろう。