チャンスの神はここにいる

杏奈ちゃんは周りのグラドルと目配せをし「あーっ。ちゃんごらすのマネージャーさんだー」と、何人かで詰め寄り「本番前に鈴木さんに胸を触られたんだけどー」「あのイヤラシイ2人を何とかして下さい」「セクハラやりすぎでしょー」って、壁ドン状態。

私だけじゃなくて
皆も不満があったんだ。

「ありがとー」
小声で杏奈ちゃんの背中に言うと

「来週の差し入れはメグちゃんだからね」って言われた。

うんうん。
何でももってくるよ。

いたぶられるマネージャーの叫び声を背に、私はコソコソと玄関に出てタクシーに乗り込む。


午前1時半の脱出成功。

自宅に帰り
すぐシャワーを浴び

ゴシゴシと触られたお尻と太ももをムダに洗う。

爬虫類のような目。

怖かった。

手をつねってしまったけど
大丈夫かな。
次回が怖い。

シャワーを浴び終ると

亮平君と純哉君の登場。

夜中の大反省会
もう恒例になっております。

2人とも疲れ果ててます。
スコアさんの説教が効いたらしい。

「また夜中にごめんね」
亮平君はそう言って中に入り、純哉君は無言でそれに続く

怒ってる?純哉君。

イケメンの相方に彼女がいるなんて
本当は公表したくなかったよね
咲ちゃんと、あのままお似合いですねーってネタでいじってもらう手もあったよね。

「こっちこそゴメンね」
心細い
小さな小さな声を出すと、純哉君は無言で私の頭を軽く叩き。

「モテキャラは俺だけでいい」

本気か嘘かわからない
そんな言葉を真顔で言い

今日の番組をセットする。
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