チャンスの神はここにいる

まだ髪も乾かないまま
部屋着のユニクロワンピでウロウロし、冷蔵庫からポカリなど出すと

「言っちゃった」
亮平君は照れ笑いの表情で
ポカリごと
私の手を握る。

「私の事?」
そっと聞くと

「うん」って優しく笑ってくれた。

「ごめんね」
胸の奥が熱くなる。

「なんで?」
ベッドに並んで座り
亮平君は私の肩を抱く。

「スコアさんに怒られたでしょ」

「想定内だから」

「イケメン二人組が売りだったのに」

「メグちゃんに悪いもん」

「ファンの人達、ガッカリしたよ」

「芸で返す。売れてお返しする。舞台の上ではみんなの亮平だから大丈夫」

優しい声が心に沁みる。

「はっきりさせた方がアシスタントの子にもいいだろ。次は純哉を狙うから」
笑って亮平君が言うと

「黙れ!タイプじゃないわ!」

本気で怒って振り返る王子様。

咲ちゃんがタイプじゃないって
純哉君のタイプって
どんな女子?

ドS王子に釣り合うのは
ドM姫?

いや
王子を越えた超ドS姫かも。

怖っ。

録画していた番組が始まり

私達はそれに見入る。
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