チャンスの神はここにいる
仕事が増える。
いや
バイトだけどね。
一緒にお弁当屋さんで働いてるおばさんが腰痛で辞めたので、出番が増える私。
これも生活のうち
働くことはありがたきかなbyうちのじーちゃん。
お昼前の一番忙しい時間
次から次へと接客し厨房に注文を入れる。
慣れたものよー……って、慣れちゃ困るけどさ。
バイトが本職になるのは嫌ー!
「メグちゃんですか?」
注文を取ろうとすると
カウンター越しに30代のサラリーマンから声をかけられた。
「はい」
素直に返事をすると「やっぱり」って、後ろの人達と騒いでる。
「いつも見てるよ。頑張ってね」
「メグちゃんの笑顔サイコー」
「うちの奥さんがファンなんだ」
そんな声をかけられて
嬉しいより驚いて目がテン。
スーツ姿の三人はお弁当を買い、私と握手して「また来るね」って帰って行った。
マジ?
私のファンの人?
うそぉ嬉しい。
お店の監視カメラの画像が欲しい。
めったにない事が嬉しくて
浮かれた私は
午後から注文を間違え
その間違えたのり弁当大盛りが二つ
夜の公園にて
亮平君と純哉君のお腹に入りましたとさ。