チャンスの神はここにいる
キャーって男同士の生キスを見て、ひな壇から叫び声が上がる。
亮平君は純哉王子からのキスを受け
今度はしっかり目を覚ます。
「俺のファーストキス奪ったな」
亮平君は大きな声を出し一歩下がり
「訴えてやるっ」って言うと
「やぁーっ!」って純哉君がダチョウ倶楽部の真似をして「ラストはパクリかいっ」って亮平君が突っ込んで2分30秒が終わる。
ブルプラが揃って頭を下げると
「はい。ブループラネットさんありがとうございます。迫力あるキスに驚きましたが楽しかったです。さて次は挑戦者の……」
女子アナは何事もなく挑戦者の名前を呼び、すんなりコーナーは続き
純哉君と亮平君は僅差で勝ち抜いた。
「あの最後のガタガタで、よく勝てたな」
遠藤の相方であるデブキャラ鈴木が呆れたように純哉君に言い、純哉君は神妙な顔でうなずく。
本当に少しの差で危なかった。
純哉君のキスはあくまでもネタで、亮平君のネタが飛んだ事に気付いたのは、ほどんどいない。
本番が終わると着替えもせず、ADさんにもらったバスタオルを背中に引っかけ、私は走って二人の楽屋へ向かうと、同じく怖い顔したスコアさんと楽屋前で鉢合わせ。
「あのガキ。ぶん殴ってやる」
スコアさんも亮平君がネタを飛ばした事を気付いていた。
「あの違うんです。私が悪いんです」
「なんでメグちゃん?」
楽屋前でそんな会話をしながら一緒に扉を開けると
亮平君が純哉君に土下座し
純哉君は冷たい表情で、舞台衣装のスーツのまま亮平君を無視して靴を履いていた。
「純哉君」
名前を呼んでも私を無視し
「お先に」と……スコアさんにボソッと言い
土下座する亮平君を残し
出て行ってしまった。