チャンスの神はここにいる

「亮平君」

「メグちゃん。何も言わないで……このままでいて」

亮平君は荷物を置き
私の身体に崩れ落ち
私はしっかり彼の身体を抱く。

大きな身体が小さく感じる。

「亮平君。ゴメンね私のせいだよ。私が遠藤に絡まれていて、それで気になって亮平君は……」

「どんな理由であっても、ネタを飛ばしたら終わり。誰のせいでもない自分が悪い」

「違うよ。私が悪い」

「メグちゃんは悪くない」
そこでやっと
亮平君は顔を上げ私を見る。

寂しそうな
泣きたい目をしていた。

「メグちゃんは悪くない」
もう一度
同じセリフを強く言い
亮平君はまた私に身体を任せる。

「純哉君と何か話した?」
静かに聞くと
私の身体の中で亮平君の頭が横に揺れる。

「俺、とんでもないことヤラかした」
深いため息に私の胸が苦しくなる。

だから
つい……言ってしまった。

「亮平君。私達……別れよう」と……。
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