チャンスの神はここにいる
これでいい。
これで
亮平君は仕事に集中できる。
また私が遠藤にお尻を触られても、知らん顔でネタに集中できる。
テレビで彼女がいる発言をして、女子の人気を下げなくていい。
これから必ず売れる人達。
ブループラネットは売れる。
おもしろいし
なんたってイケメン。
私が邪魔をしちゃいけない。
でも
悲しくて悲しくてたまらない。
身を引き裂かれるって
こんな感じなんだ。
泣いても泣いても泣いても
きっと涙は枯れない。
身体の中の水分を出し切りそう。
亮平君。
優しくて楽しくて
いつもポジティブで
笑顔の似合う人に
ひどい事を言って
悲しい顔をさせてしまった。
優しいキス
広い胸
長い指
寝顔が可愛くて
まつ毛が長くて
亮平君
大好きな亮平君。
私は窓に走り
乱暴に扉を開けると
亮平君の背中が見えた。
細長い身体がゆっくりと遠ざかる。
あぁ……ダメだよ。
自分の心と戦え!
ここでガマン。
ガマン
ガマンできない!
いいよもう
私は最低の人間だ!
俺様大魔王なんてクソくらえ!
私はワガママで最低で自己ちゅーで
あぁ
もうっ!
「亮平君!」
自分の部屋から夜中に大きな声で彼の名を呼ぶと、彼は立ち止まり私の部屋を見上げた。