チャンスの神はここにいる
ネットではブルプラはデキてる噂があるらしい


部屋に戻り

着替える暇もなくテレビ局からやってきた亮平君は、持って来た荷物からTシャツとハーフパンツを出し、着替えて心も身体もリラックスしたようにゴロリと私のベッドに横になる。

「よかったね」
私もベッドに座り
純哉君に聞こえないよう
こそっと彼に耳打ちすると
穏やかな笑顔が返り
そっと手を伸ばし私の指先を探して握る。

「『別れよう』ってメグちゃんに言われた時、目の前が真っ暗になって倒れそうだった」

「……ごめん」

「そこまで言わせて……こっちこそゴメン」

亮平君は起き上がり
私の身体を背中から優しく包む。

「メグちゃんを離さない」
後ろから探るように
私の首筋に唇を寄せる。

ドキドキして
フワフワして
カーッと熱くなってたら

「フツーにいちゃつくな。ボケかツッコミか入れろ」

勝手に冷蔵庫からポカリを取り出し
冷静に言う俺様大魔王。

仕事の鬼め。

亮平君は素直に「すんませーん」って返事して、私の隣に並び、今日の番組を最初から三人でチェック。

トップからグラドル総選挙で
10位急上昇の私の驚いた顔が、アップでテレビ画面に映っていた。

うわぁ
こんなアップだったの?
超恥ずかしい。

そして
ハンパなく似てない
ドラえもんのモノマネ。

「どうしてドラえもんにしたの?」
亮平君に聞かれ

「まるちゃんのマネをしようと思ったんだけど、パニくって間違えた」
素直に言うと
テレビの横で純哉君が鼻で笑う。

その態度
くやしいーーー!

バッサリ悪口言われるより
ムカつくーーー!

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