チャンスの神はここにいる
着替えてメイクなど直し
遊び気分で指定の場所に行く。
バイト先のお弁当屋から
歩いて5分。
小さな公園。
小さなベンチと滑り台
砂場とブランコの設置された
本当に小さな公園。
きっとお昼には
お子ちゃまを連れた幸せそうな奥さま達が集まり
木漏れ日などを浴びながら旦那のグチなど語り合ってるような、平和な場所なんだろうな。
目の前には交番。
特に事件もなく退屈そうなお巡りさんが見える。
街灯のあるベンチの下に、長身の影がふたつ。
ひとりはさっきの男性。
もうひとりは
彼の相方さん。
スタジオの隅で彼を怒っていた人。
ボケ担当だけど怖そう。
こっそりと近寄ると
「メグちゃんありがとう。純哉、彼女がさっき話した女の子。本当に来てくれて嬉しい」
両手をつかまれ激しく握手。
圧倒されながら
彼の肩越しに交番を見ると
お巡りさんの怖い目がギラリと見えた。
はい。何かあったら飛び込みますから。よろしくお願いします。
心の中でお巡りさんに会話してると
彼の相方が横から出てきて、私の肩を押してベンチに座らせる。
長身短髪眼鏡男子
彼とは対照的なクール男子
切れ長の目が美しく
薄めの唇が色っぽい。
爽やか可愛い系男子と
理系俺様男子の組み合わせ?
俺様野郎は上から目線で
「口は挟むな」そう言って
ふたりはネタを始めた。