チャンスの神はここにいる
お笑いは昔から好きだ。
けっこうテレビも見てるから、詳しい方だと思う。
家でも弟と批評しながらお笑い見てた。
そして今
彼らの漫才は
面白いんだけど……なんだろ
なんか……こう……。
聞いていて
スカッとしない。
キレがないのかな
ダラダラ系なのかな。
面白いんだけど
聞いてるこっちが身体がクネクネしそう。
「ありがとうございましたー」
「ありがとうございましたー」
リアクションも大きく
軽く汗などかきながら彼らは頭を下げ
私はパチパチと手を叩くと
「どうだった?」
彼……爽やか笑顔の亮平君はワンコロのように目を輝かせ、私の座るベンチに詰め寄る。
「面白かったよ」
ネタは面白かった。
「ホント?よかったー」
素直に嬉しそうな亮平君とは裏腹に、眼鏡男子がクールに近寄る
怖い。
この人……怖い。
威圧感ハンパない。
「正直に言え。目が笑ってないぞ」
それはお前だろ!