チャンスの神はここにいる

「急にどうして安東さんと絡んだの?」
亮平君に言われて
私は最初から説明する。

「裏でモニター見て驚いた。でもよかったよ。見てて」

亮平君の言葉と共に
私は改めて安東さんとの絡みを見る。

「安東さん『捨て猫を見ると黙ってられないタイプ』なんだって『俺がリードする』って言ってくれた」

そう呟くと

「一流の人って、人柄とかすぐ見抜くじゃん。メグちゃんの人柄が見えたから応援してくれたんじゃない?」

亮平君が言い。

「頼りなさがよかったんだろ」

純哉君が言う。

そーなのか?

5分間の超大物との絡み。

客観的に見る私は
ゲストの安東さんにリードされ
そんなに緊張している様子もないようだ。

安東さんの曲はよく耳にしてたし
ファン目線で聞きたい事も聞けたから、テレビを観てる安東さんファンの方にも喜んでもらえたかも。

その他大勢のひな壇から
目立つポジションに移動した私。

自分じゃないみたい。

「本気でよかったよ」

「細かく言えば、色々あるけど……まぁよかった」

お2人からの言葉をもらい
私もホッとする。
部屋に戻ったら弟も興奮して電話よこしてたっけ。
そして写真もサインももらってないって言ったら、一気に暗い声になってしまった。

ごめん弟。

使えない姉でスマン。

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