チャンスの神はここにいる

「こないだの安東さんとの絡みもよかったよねー」

安東さんファンの事務のお姉さん。
うっとりと思い出して妄想中。

あの番組内のインタビューは
自分的には必死だったので
よくわからないけど

なぜか
とても評判がよかった。

結果よければ全てよし

うちの事務所のモットー。

「それはいいけど、【ちゃんごらす】のセクハラをなんとかして下さい。プロデューサーに言ってもあてにならない!」

訴えてやる!

「あー。前に言ってたやつ?」
面倒な話になると
上の人達はどうして同じ顔になるか。

「前よりひどくなってます。こないだなんてケツ触られたし……今、逆恨みもされているかも」

逆恨みの一言で
社長と萌香ちゃんと事務のお姉さん
六個の目が鋭く私を貫く。

「なんだそれ?」

「えーっと」

説明するには
亮平君と付き合ってる事も内緒にできない。

それは
今は言いたくないし

目を泳がせてたら

「……あっちの事務所に強く言っておく」

社長が言い
ホッと一息つく私。

「それより、メグちゃん。今月はバイトより仕事の方が多いよ」

事務のお姉さんがスケジュールをプリントアウトしてくれて、萌香ちゃんと一緒に覗くと

本当だ。
バイトに行く暇もないわ。

私のランクが下のせいか
撮影時間が遅い時間帯が多い

つまり
亮平君に会う時間もないかも。

ブルプラも売れてきたから
タイミングが合わない。

会えるのは、決戦の日。

その前にネタを見せてもらい、感想を言って励ましたかったんだけど……ダメか。

きっとスコアさんや
事務所の先輩達にダメ出しされて
完璧なネタを持ってくるだろう。

よし!
それを楽しみにしているぞ!


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