チャンスの神はここにいる

「3位じゃん」
亮平君は私の正面に向かい
小さい子供にするように
よしよしと
私の頭をポンポン叩く。

「急に席替えはする、猫のかぶり物で顔は映らない。3位になってもコメントぐたぐた」
ネクタイを緩めながら
純哉君は亮平君の前に入り
綺麗な怖い顔で私を見る。

「あれが精一杯なの!」

「あーそーですかー」

「ムカつくー」

「ラストの顔モニターで見たぞ。なんだあの笑顔?手を抜くな!」

痛いとこ突かれて
グッと黙ってたら

「いや、もういいから」

亮平君がいつものように止めるけど

その声は
とっても疲れていた。

「負けたけど、とってもよかったよ。面白かった。最高だった」

小さな声で2人に言うと

「……ありがとう。でも、負けは負けだから」

亮平君が苦笑い。

「スコアさんとこ行ってくる」

純哉君は亮平君の肩を軽く叩き「勝てなかったからエッチ禁止」と去り際に言い残す。

「いちいちムカつく」

頬をふくらませ
部屋から出る純哉君を見ていたら、亮平君に壁ドンされた。

背の高い亮平君に壁ドンされると迫力。

そしてそのまま

強く抱かれる私。


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