チャンスの神はここにいる


別々の道を歩き出す

ってこんな感じなのか。

あれから
亮平君とは連絡もとらず
顔も見てない。

別れるって
こんなに呆気ないんだ。

久し振りの午後から休み
部屋の掃除をするつもりがダラダラしながら、ためこんだドラマを見ているとスマホが鳴る。


表示は

純哉君だった。

その名前に驚き
慌てて画面に指を滑らせると

『今、何やってんだ?』
変わらないクールな声。

「えっと……昼から休みでダラダラしてる」

『今日は休みか?』

「うん」

『俺は8時から何もない。俺のバイトしてた会員制のバー覚えてる?』

「うん」

『そこで8時半な』

「はぁ?」

『遅れるなよ』

最後は鋭く言い
切られてしまった。

はぁ?
はぁーーーあ?

何よこれ。
< 219 / 301 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop