チャンスの神はここにいる
別々の道を歩き出す
ってこんな感じなのか。
あれから
亮平君とは連絡もとらず
顔も見てない。
別れるって
こんなに呆気ないんだ。
久し振りの午後から休み
部屋の掃除をするつもりがダラダラしながら、ためこんだドラマを見ているとスマホが鳴る。
表示は
純哉君だった。
その名前に驚き
慌てて画面に指を滑らせると
『今、何やってんだ?』
変わらないクールな声。
「えっと……昼から休みでダラダラしてる」
『今日は休みか?』
「うん」
『俺は8時から何もない。俺のバイトしてた会員制のバー覚えてる?』
「うん」
『そこで8時半な』
「はぁ?」
『遅れるなよ』
最後は鋭く言い
切られてしまった。
はぁ?
はぁーーーあ?
何よこれ。