チャンスの神はここにいる


「今日話した内容は忘れろ」

「うん」

「これからも俺は鈴木 恵のファンだから、応援する」

「……私も純哉君のファンだよ」

「マジか?」

「裏のある邪悪な笑顔のファン」

「もっとダメ出し説教してやろうか」

「……すいません」

やっと涙が止まり
純哉君と顔を合わせて笑顔を見せた。

「やっと笑った」

「……うん。ごめん」

「亮平の事は任せろ。時間はかかると思うけど、元に戻して」

「いや!それはいい」

強気で私が言うと
純哉君は驚いた顔になる。

「気持ちは嬉しいけど、私と亮平君の問題だから……これでいい」

「おい」

「別れたけど、私はまだ亮平君が大好きでずっと想ってる」

「だったら……」

「今は目の前の仕事を頑張る。それが一番いい」

亮平君も同じ考えだろう。

「私も亮平君も自分に自信が足りない。もっと頑張って自信をつけてから、もう一度やり直したい」

やり直せるものなら。
時間が経って
亮平君に好きな人ができても

それはそれで仕方ない。

優しくてイケメンで性格の良い亮平君だもの
彼女もできるだろう。

まっすぐ意見を曲げない私に、純哉君は「わかった」と返事をした。

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