チャンスの神はここにいる
歯切れの悪い私を見て
グラドル総選挙最終日の不安だと思ったのか
「大丈夫だから自信持って」
沢井君は軽くグーで私の肩をパンチする。
「メグちゃんの魅力は、元気で明るく精一杯頑張る姿。癒される笑顔。最初はそーでもなかったんだ。ちょっと可愛くて胸が大きいだけじゃんって思ってたけど、だんだん画面から輝いてくるのがわかった。ブルプラが勝ち抜きコーナーに出てきた頃から、メグちゃんは変わった。輝いてる。自分でも変わったって思うだろ」
沢井君の言葉に素直にうなずく。
「自分を信じて」
静かに言われて
決意を込めてうなずく。
「僕はメグちゃんのファンだから、ブルプラと別れたら教えてね。僕を彼氏にしてちょうだい」
「ありがとう」
あれ?
もう彼氏ができそうだぞ私。
「じゃぁね」
「沢井君も頑張ってね」
「僕達は無敵だから楽勝だし」
ニッコリ笑顔で沢井君はそう言った。
うーん
その自信家な所
純哉君にそっくり。
沢井君と話して
なんか元気が出てきたよ。
「グラドルの皆さん。集合して下さいー」
スタッフが遠くから叫び
本番が始まる。
私は息を飲みながら
ゆっくりとスタジオに向かって歩き出した。