チャンスの神はここにいる

落ちつけ落ち着け
大丈夫。平常心で行こう!

大丈夫。私は大丈夫。
本番前に沢井君と安東さんの励ましをもらった。
お母さんも電話をくれた。
弟は私より興奮していた。
田舎の友達も応援してくれている。

カメラに向かって笑顔の練習。

『どんな顔でもカワイイ』

亮平君の声がどこからか聞こえてきそう。

心の中には
いつも亮平君がいる。

だから私は大丈夫。


「5・4・3・2……」

薄毛ディレクターが勢いよくカメラの隣で合図を出し、私達は満面の笑みを浮かべアピール開始。


あと30分後には結果が出る。

私が一位になる確率は低いだろう。

携帯小説とかで
目が覚めたら
隣で裸のイケメンが眠っていて
実はそれは会社の御曹司だった……より確率は低い。

ほぼゼロじゃん。

でも
最初から
あきらめてはいけない。

ブループラネットに教えてもらった。

私は最上級の笑顔を、本番のランプが点いてるカメラに向けた。



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